ついに登場したIntelのデスクトップ向け第10世代Coreプロセッサー（コードネーム：Comet Lake-S）。プロセスルールこそ従来と同じ14nmだが、最上位のCore i9-10900Kは10コア20スレッド、さらに全モデルがHyper-Threading対応となるなど、昨今のCPU多コア化のトレンドを取り入れている。

また、ゲームのフレームレートやレイテンシ改善に効果が見込めるクロックの高さをウリにしており、熱などの余裕があるときにクロックをブーストするIntel Turbo Boost Max Technology 3.0（Core i7以上に搭載）やIntel Thermal Velocity Boost Technology（T型番を除くCore i9のみ）を搭載。最上位モデルは最大5.3GHz＆全コア時4.9GHzを実現する。メモリはDDR4-2933（Core i5以下は2666）まで正式サポートするようになった。

CPUソケットは新たにLGA1200となり、チップセットもZ490/H470に世代交代。搭載マザーは、Wi-Fi 6や2.5G LANへの対応といった強化が図られている。CPUクーラーは既存のLGA115x用がそのまま装着可能だが、OCが可能なK型番モデルのTDPは125Wに増加（無印は従来どおり65W）したため、K型番モデルを使うなら大型空冷か簡易水冷クーラーも用意したい。28cmラジエータの簡易水冷環境で「OCCT Pro 5.5.7」のOCCTテストを行なったところ、パッケージ温度は最大約72℃、全コア4.9GHzで30分動作したので、発熱に対する過度な心配は不要だ。

それでは気になるパフォーマンスを見てみよう。CPU性能を計測するベンチマークテスト「CINEBENCH R20」では、とくにシングルスレッド性能が大幅に伸びたことを確認。コア数／スレッド数が増えたことにより、マルチスレッド性能も着実にパワーアップしている。

実際のアプリ／ゲームにおける性能の目安になるベンチマークテストとしては、PC全体の性能を見る「PCMark 10」、主に3Dゲームの性能を見る「3DMark」を計測している。

PCMark 10や3DMarkの総合スコアの伸びは微差だが、物理演算や動画エンコードなどコア数とCPUクロックが効く項目でスコアが伸びている。PCMark 10では“Digital Content Creation”グループ、3DMarkでは“Physics”や”CPU”の項目がこれに当たる。近年、ゲームでもマルチコア性能がパフォーマンスに影響するケースも増えてきているので、重量級のビッグタイトルやゲームプレイ動画配信などで威力を発揮してくれるだろう。