更新日:2007/09/14
- 今日は相談があって来たんだけどさ。
- おー、知識の泉、インテリモモコちゃんに何でも訊きなさい。
メスシリンダー シャキーン! りとまる試験紙 バシーッ! - モモコの色々と間違ったインテリ像はほっといて、どんな相談ですか?
- この前キャプチャボード買ってあげたじゃない。
物欲に負けて私も同じの買っちゃったけど・・・ - あー、その節はありがとね。
毎日大活躍してるよ。画面は綺麗だし、録画もバンバンしちゃってるもんね。 - あれのおかげで痛感させられた。うちのパソコンってうるさい!
全然テレビの声が聞こえないから音量大きめにするんだけど、お隣さんに悪いし・・・
モモコのパソコンは静かだよなぁ。小声で喋ってるシーンでも全然問題無さそうだし。 - うるさい? うーん、気にしたこと無いな。よくキーボード枕にして寝てるし。
ほっぺたがデコボコになって面白いんだよね。 - いや、モモコの場合は横が滑走路でも熟睡できるから。
僕がモモコのパソコン組んだ時に、静音に気を遣ったんですよ。
そういう意味では頑張った甲斐が無いというか・・・ - 静音? やっぱり、静かなのには何かワケがあるのか。
ツンツク、ちょっとうちのパソコンも見てくれない? 車に積んできたからさ。 - もちろんいいですよ。静音化って一言で言っても色んな場所がありますから。
まずは動かして、音を聞いてみましょうか。
- ああ・・・これはかなりうるさいですねぇ。
- でしょう? 気になりだすともうダメだねこういうのって。
このブオーって音は何の音? - パソコンから出る音の大半は冷却ファンの音ですね。
ファンにも場所によって色々な種類があります。
- 種類
- 説明
- CPUファン
- CPUを冷却する為のファンです。バルク品でない、リテール(BOX)と言われるCPUには純正のCPUファンが付属している物が多いのですが、それをサードパーティ製のファンに交換して、静音性を高める事が可能です。
- ケースファン
- PCケースに取り付けるファンです。8cm、9cm、12cmなどの大きさがあり、また、取り付ける場所も「背面のみ」「背面+前面」「背面+前面+側面」など、ケースによって異なるため、購入前に確認が必要です。
- 電源ファン
- 電源を冷却する為のファンです。一般的な電源であれば、初めからファンが取り付けられていますが、電源ファンだけを交換するのは危険が伴う為、電源そのものを静音タイプと交換することをお薦めします。
- VGAファン
- ビデオカードを冷却する為のファンで、ビデオカードそのものに取り付けます。高性能なビデオカードは発熱量も大きくなる為、ほとんどの場合、最初から取り付けられています。
- チップセットファン
- マザーボードには、チップセットを冷却する為のファンが取り付けられているものがあります(主にAMD製CPU対応マザー)。一般的にサイズは4cmで、VGAファンと同等の大きさです。
- オプションとして、他の場所にファンをつける場合もあるんだけど、一般的なのはこのあたり。中でも、ケースファンや電源の交換は手軽にできるし、静音化を考える場合にも効果が高い事が多いので、最初はここから取りかかるのがいいですね。今回もまず、ケースのファンを中心に考えていきましょう。
- そうか、ケースの中を冷やすファンね・・・
そもそも、冷却ファンがうるさい原因って何なの? - 要因としてはいくつかあるんですけど、一番大きいのは回転数が高いことですね。
冷却ファンってくらいですから、対象物を冷やさないといけない。
より冷やそうとすると、より大きな風量が必要になって高速回転させた結果がブオー、
という具合。 - こんな小さいのをくるくる回してるからいけないんじゃない?
もっとドカーンとでっかいファンにしたらよく冷えそうなのに。 -
おお! モモコが珍しくいいこと言った!
実はその通りで、ファンを大きくすれば回転数を落としても風量が稼げる、つまり静音化できるというのは一つの大原則なんだ。だから、ケースファンも、8cmや9cmよりも12cmファンを取り付けられるケースの方が、より静音化しやすいと言えるよ。
こんなケースまであるくらい。
【FREEDOM】
3010
BK
サイドパネル25cm ファン搭載
完売御礼
- うわー! アハハハハハ、でっかーい! 25cmだって!
- まるっきり扇風機だなこりゃ。
すると、静音化ってのはある意味、ケースの選択から始まってるってこと? - もちろん、今あるケースのファンを低速回転の静音タイプに換えていく、 という方法もあるんですけど、根本的に付けられるファンの大きさ とか数が限られていると、静音化しにくいんです。そういうケースで 無理に低速回転タイプにすると、充分な排熱ができなくなって、 パソコン内部の温度が高くなることもあるから、危険です。 温度はソフトでも調べられますけど、【5インチベイや3.5インチベイに増設するタイプの温度計】が凄くかっこいいのでオススメ。
- なるほど、静かになってパソコンが壊れたんじゃ本末転倒だ。 逆に言えば、できるだけ冷やしたい! という時は、ある程度の 音は我慢しなきゃいけないってことか。
- 静音は、あくまでもパソコンが安定して使える範囲内で行うべきもの。
ファンを選ぶ時は、ここが一番大事なポイントですね。
じゃ、人気のある静音ケースファンと、静音化におすすめのケースを続けて見ていきますよ。
●6cm~7cm
【親和産業】
RDL7025NMB20
7cm角 超低速ファン 25mm厚 2000rpm
完売御礼
-
さっきもちょっと言ったけど、ケースファンにも色々な大きさがあるんだ。
よく使われるのは8cm~12cmだけど、7cm以下もあるし14cm以上のものもある。
さっきの25cmなんてのはさすがに特殊な部類だけどね。 - 静かかどうか、っていうのは回転数で決まるんだっけ?
-
うん、回転数がとても大きい要素であることは間違い無いんだけど、それだけでは決まらない。羽根の形状や、軸の部分の仕組みなんかでも変わってくるんだ。
回転数だけで言うなら、2000rpmを切ってるものは、ほとんどが静音とか超静音とか呼ばれるファンになるんだけど、それ以上の回転数でも静かなファンはあるよ。駆動時の音をデシベルで表記している場合は、それを確認するのが確実。 おおよそ、20db台なら静かなファン、10db台ならとても静かなファンと言っていいと思う。
●8cm
- この「サーミスタ付き可変速ファン」ってのは何だ?
- あ、それは、温度によって回転数を自動調整するファンですね。
熱い時は高速回転、冷えてきたら低速回転と勝手に速度を変えてくれるんですよ。 - おー! ハイテクだー! そんな便利なものもあるんだねぇ。
- 他にも回転数を変える方法があるんだ。ファンコントローラって言うんだけど、実際に見てもらった方がいいかな。
●9cm
- おお? なんかグリグリできそうなツマミが繋がってる。これがファンコントローラなの?
-
そう。このツマミ部分はケースの後ろ、PCIスロットのフタ部分に取り付けて使うんだ。
これを回すことによって、回転数を高くしたり低くしたりすることができる。季節によって回転数を変えるのもいいんじゃないかな。さっき紹介したベイに増設するタイプの温度計で、この 機能をあわせて持っているものが多いんだ。一石二鳥だよね。 -
一番絞った時と最大にした時の回転数は、ファンによって決まってるみたいだから、買うときに確認しておく必要がありそうだな。
しかし、ツマミで回転数を変えられるってのは、直感的でわかりやすくていいね。
●12cm
- ん? 38mm厚? さっき見たのは25mmって書いてあったような。
- そう。ファンの厚さも重要なスペックの一つだよ。一般的に、厚いファンほど羽根の角度がつけられるために、風量が稼ぎやすい。ただ、ケースによっては、取り付けられるファンの厚さに制限があるものもあるから注意。
- さて、では静音に適したケースを見てみよう。まずはお手軽価格のツクモオリジナルケース、ST463J。何がお手軽って、この価格で前面14cm、背面12cmの静音ファンが最初から付属してるってこと。特に、前面が低速タイプの大口径ファンっていうのは、すごく理にかなってることなんだよ。
- そうか、前面の方が使ってる人の耳に近いんだから、静音化するなら前面を優先させるといいわけだ。なるほど。
- 逆に、温度が高い時は、前よりは後ろのファンに頑張ってもらった方が、うるさくないってことね。
-
【ST463J仕様】
- 5インチ×4、3.5インチ×2、3.5インチ(シャドウ)×5
- 搭載可能ファン
- 前面:140mm × 1
- 背面:120mm × 1
- お、これもツクモオリジナルね。・・・ぎゃくとうりつ? ほうしき? 逆立ちしてるってこと?
- その通り。マザーボードを天地逆に取り付けるタイプのケースだよ。
Gatewayのパソコンで採用されてる、BTXって規格もそうなんだけど、 天地が逆になることによって、熱くなりやすいCPUやメモリ部分が 丁度前から後ろに吹き抜ける風の通り道に位置するようになる。 - 天地逆ってことは・・・CPUやメモリが下で、PCIスロットは上側になるのか。
言われてみれば、前面ケースファンって、大抵下寄りについてるんだから、風も下側を通ってる。そりゃ、少しずれた所より、扇風機の真ん前が一番涼しいに決まってるね。 - このケースはMicroATXタイプだからコンパクトなんだけど、収容力もバッチリ確保されてるんだよ。前面の静音12cmファンは最初からついてくるから、熱が気になる時は、背面に静音8cmファンを2基増設すれば完璧。よく冷えるようになる。
-
【MT385仕様】
- 逆倒立方式採用
- 5インチ × 2、3.5インチ × 2、3.5インチ(シャドウ) × 2
- 搭載可能ファン:
- 前面:120mm x 1(静音タイプ搭載済み)
- 背面:80mm x 2(オプション)
- 次に、冷却と静音へのこだわりで大人気のAntec製ケースを見てみよう。
まずはコンパクトなP150。背面に3段階のスピード調節機能つき12cmファンを標準搭載、前面には9cmファンを2基追加可能。左右上部の遮音シートや、ゴムで挟んでHDDの振動を緩和する特殊な取り付け方式もこだわりのなせる技だね。 - 中のケーブルをケース横に収納することができるって書いてあるけど、 これは何で?
- それも冷却にこだわった結果なんだよ。
パソコン内部には電源やドライブ接続用など、たくさんのケーブルがあることは知ってると思うんだけど、これが思いのほか、空気の流れを悪くしてるんだ。ケーブルをまとめて側面にどかしてしまえば、ケースの中がスッキリして、前から後ろへスムーズに空気が流れるってわけ。
-
【P150仕様】
- 5インチ × 3、3.5インチ × 1、3.5インチ(シャドウ) × 4 or 3
- 搭載可能ファン:
- 前面:120mm x 1(搭載済み)
- 背面:92mm x 2(オプション)
- そしてこれが、発売以来爆発的人気のP180。一時は品薄で、なかなか手に入らなかったとか。実力と実績のある素晴らしいケースだよ。
- なんだか取り付けられるファンの数がすごいことになってるぞ。
前面、背面、上面、電源部分、中段HDDゲージで合計5つ、全部12cmのファンだって!?
しかも前面と背面と上部のファンは標準装備だし、それぞれ3段階の回転数調整までついてる。 - これだけの冷却性能があるのに、静音性も考え抜かれてるんですよね。
あと、P150や、eX.computerのAeroStreamシリーズでも採用されてますが、 前面ファンに水洗い可能なエアフィルタがついてるのも見逃せません。 パソコンにホコリは大敵ですから、風量の多いこれらのケースには 強い味方です。
まさにこだわり抜いた一品、このケースが大人気なのも納得ってもんです。
-
【P180 Ver1.1仕様】
- 5インチ × 4、3.5インチ × 1、3.5インチ(シャドウ) × 6
- 搭載可能ファン:
- 前部:120mm × 1(オプション)、後部:120mm × 1(搭載済)
- 上部:120mm × 1(搭載済)、下部:120mm × 1(搭載済)
- カードダクト:80mm × 1(オプション)
- なるほど、静音化って一言で言っても色々あるんだな。
温度との関係もあるし、どこがうるさいのか、どうするのが効果的なのか・・・ - ですね。でも、温度さえ気をつけていれば、あまり固く考えなくても大丈夫ですよ。
ケースファンが変わるだけで随分静かになります。交換も簡単だし、価格もお手頃だし。
まずはここから始めてみて、静音化の威力が実感できたら、電源やCPUファンなど、次のステップに進んでいくのがいいと思います。 - よーしよし、それじゃあいっちょやってみっか!
ツンツク、ケースとケースファンの選定はよろしくね。 - わかりました。絶対モモコのより静かなパソコンにしましょうね!
・・・ん? なんか大の字になってる人がいる。 - 色々話聞いてモモコCPUを働かせすぎたから、扇風機最大回転数で冷却中~。
あー、眠くなってき・・・スコー - 起きたら確実にメモリが初期化されてるなこりゃ・・・