更新日:2005/08/24
- フッフッフ、この前買った秘密兵器のおかげで、今日からリビング快適インターネットの日々が始まる! 冷蔵庫も電子レンジもすぐそこ!お腹が空いたらすぐ栄養補給・・・ポワワワ・・・あれ、何だろ、廊下の真ん中で何かうごめいてる。
- ンガモゴ
- 何だツンツクじゃない! こんな所でケーブルに絡まって何遊んでるの?引っ張ったりしないでよね、私のリビング快適インターネット計画が台無しになっちゃうでしょ。
- プハー! 苦しいよ! 何この長いLANケーブル!
- だから秘密兵器だよ。30mLANケーブル。私の部屋からリビングまでずず~いと。
- なるほど、ルータがあるのはモモコの部屋だからね・・・
- そうそう。大は小を兼ねるから30m。もっと広いお屋敷に引っ越すかもしれないし。食卓もこーんなに長くて、お誕生日席に座るの。
- モモコ、いいこと教えてあげるから、まずちょっとこれほどいてくれる?
- え、いいこと? いいよいいよ任せといて。食べ物関係?
- ふえー、やっとほどけた。で、食べほうだい関係だっけ?
- 残念ながら違います。モモコは無線LANって聞いたこと無い?
- あるよ。え、だってあれって壁とか扉とかが間にあるとダメなんじゃないの? TVのリモコンだって効かないじゃない。
- リモコンとは全然方式が違うよ! もちろん環境によってかなり変わるけど、最近の無線LAN機器は凄く高性能で、しかも速い。うちの木造の壁なんてスイスイ通すはずだよ。
- えー! 早く言ってよツンツク・・・普通のケーブル買っちゃったから扉が閉められなくて困ってたのに・・・リビングじゃなくて、一番奥の物置とかでもインターネットできちゃうの?
- どのくらい繋がるかは使ってみてからでないとわからないけど、この家だったらむしろお隣さんの端の部屋でも余裕で受信できちゃうと思うよ。
- うわーん! もう無線秘密兵器を買いに行くもんね! どんなのを買えばいいの?
- 選び方はいくつかあるけど、まず規格から確認してみようか。
- 無線LANには、大きくわけて3つの規格があるんだ。IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11aの3種類。
- bとgとaね。何が違うの?
- まず、以前からあるのが11b。これは伝送速度が最大11Mbpsなので、ブロードバンド世代にはちょっと遅く感じるかもしれない。でも、こなれているだけに多くの機器で使われているね。ソニーのPSPなんかも11bだよ。
- なるほど。そうすると、11gと11aはそれよりも新しいの?
- その通り。11gと11aは新しいハイパワーな規格で、ともに伝送速度が最大54Mbpsもある。これならブロードバンドでも快適でしょ?では11gと11aで何が違うかというと、周波数帯域が違うんだ。
- しゅうはすうたいいき?
- そう。11gの帯域は2.4GHz帯で、11bと同じ。直系の上位にあたるんだ。だから、11bと11g、双方に対応した機器が非常に多い。一方、11aは5.2GHz帯なんだな。11b&11g、対して11a、という分け方もできる。
- 11bと11gは仲間なのね。2.4GHzと5.2GHzでは何が変わるの?
- 2.4GHz帯は、使われている電子機器が多いから、ノイズや混信が起こる可能性がある反面、障害物に強くて、伝送距離も長い。5.2GHz帯は全く逆で、混信が少ない帯域だからスムーズな通信がしやすいけど、伝送距離が短めで、比較的障害物の影響を受けやすいね。あと、5.2GHz帯は屋外で利用できないのも注意。法律で制限されてるんだ。
- 通信規格
- 伝送速度
- 周波数帯域
- 屋外での利用
- ノイズ・混信
- 障害物・伝送距離
- IEEE 802.11b
- 最大11M
bps - 2.4G
Hz帯 - 可能
- (比較的)ある
- (比較的)障害
に
強い
・
長い - IEEE 802.11g
- 最大54M
bps - 2.4G
Hz帯 - 可能
- (比較的)ある
- (比較的)障害
に
強い
・
長い - IEEE 802.11a
- 最大54M
bps - 5.2G
Hz帯 - 不可
- (比較的)少ない
- (比較的)障害
に
弱い
・
短い
- 一長一短だね。うーん、うちにはどっちがいいのかなぁ・・・
- 基本的には、主流の2.4GHz、11bと11gが使えるものがいいかな。ただし、各家庭の環境って本当に様々で、絶対にこっちがいいとは言い切れない。例えば、周りの家が11gの無線だらけだったら、混信して繋がりにくい、なんてのもあり得るしね。
- うーん、それだと一か八か、みたいになっちゃうね。
- そこで解決策が二つある。一つは、ちょっと予算を追加して、11a、11b、11g全てに対応した機器を買うこと。もう一つは、【交換保証】に入って、もし使えなかった場合は違う商品に差額交換してもらう方法。商品代金10,000円以内なら、保証料金はたったの525円だから、交換保証がオススメかな。
- それ便利! 11gで問題無ければそれでいいんだし、そのくらいなら安心料だよね。じゃ、その線でいくとして、他に商品選びで何に注意すればいいの?
- 無線ではとても重要になることがあるんだ。それはセキュリティ。
- セキュリティって、何か盗られちゃうってこと!?
- そう。盗られちゃう。有線の場合は、その名の通りケーブルに繋がった先にしかデータは出て行かないし、入ってこない。でも、無線ではそのデータのやり取りを周囲の空間に対してしようとしてるわけだから・・・
- そっか、壁も越えてとんでいっちゃってる位だもんね。
- すると、例えば表の道路からモモコの家庭内ネットワークに入って来ることもできる。共有フォルダからファイルを盗んだり、逆に悪いプログラムを忍び込ませたりすることもできるね。それに、モモコの無線ネットワークで飛び交っているデータをキャッチすれば、入力したパスワードやカード番号なんかもわかる。
- しかも、それって、盗まれたこともわからないんじゃ・・・アワワワ。
- そこで、無線LANは初期から様々なセキュリティが考えられてきたんだ。そして、どんどん強化されていってる。代表的なものを挙げてみよう。
- 従来のセキュリティ技術
- WEP(64/128/152)
- 端末間で送信するデータを暗号化します。64/128/152bitの3種があり、数字が大きいほど暗号強度が高くなります。
- ANY接続の禁止
- SSID(無線ネットワークのグループ名のようなもの)を「ANY」にすることで、誰でも接続できてしまうANY接続を禁止します。SSIDを外部から見えなくする「SSIDステルス」で代用する場合もあります。
- MACアドレス制限
- 無線LANカード一つ一つに割り当てられた個別アドレスを登録する事により、登録された機器以外からのアクセスを拒否します。
- 無線送信出力制限
- 無線の出力を低くすることにより、届く範囲を狭めて不正アクセスを防止します。
- む、難しいですツンツク様・・・目がシパシパします・・・。
- 内容はわからなくてもいいよ、今売ってる無線機器には、大抵こういう技術が採用されてるから。スペック表を見たら、セキュリティ機能の項目にこれらの記載があるかどうか見てみてね。もちろん、買ったらちゃんと設定しなきゃダメだけど。更に、新しいセキュリティ技術であるIEEE 802.11iについてもまとめてみたよ。
- 新しいセキュリティ技術 IEEE 802.11i
- WPA-PSK/EAP
- Wi-Fiアライアンスより提唱された、ユーザ認証とデータ暗号化を 組み合わせたセキュリティ規格です。設定が容易で一般家庭向きのPSKと、 別途認証サーバを用いた、企業向きのEAPの2種類があります。
- TKIP
- WPAで採用されている暗号化技術で、WEPをより強化したものです。一定時間ごとに暗号を自動的に変更する為、解読されにくくなっています。
- WPA2
- WPAの新バージョンで、より強力な暗号化が可能です。WPAと互換性があり、WPA対応機器と通信することが可能です。
- AES
- WPA2で採用されている、新しい暗号方式です。WEPやTKIPなどの暗号化技術に比べて、仕組みがさらに高度なものになっています。
- IEEE 802.1x
- ユーザ認証の方式を定めた規格で、有線LANにも対応しています。WEPと組み合わせて使われていましたが、現在は802.11iの一部とされています。
- こっちの方が新しい規格なのね。じゃあ、さっきのは必要無いんじゃないの?
- いや、そんなことは無いよ。まず、データを受け取る側の機器だって最新とは限らないわけだし、旧い暗号方式を使わなきゃいけないケースもある。それに、従来からあった方式や規格でも、新しい方式と組み合わせて使うことによって、より強固なセキュリティが構築できる。これがあれば絶対、というのは無いからね。「できる限り困難にする」のが重要なんだ。
- なるほどなるほど。カギは一杯つけておいた方がいいってことね。開けるのに時間がかかれば、盗む方もめんどくさくなっちゃうだろうし。
- 従来の方式では、セキュリティを強化すればするほど速度が遅くなりやすいというデメリットがあったんだけど、最近の方式ではそれも解消されつつあるしね。
- よーし! これで選び方はわかったし、あとはうちに必要な機器は何なのか、だよね!
- じゃあ、代表的な無線機器のタイプを見ていこう。
●無線LAN内蔵ルータ(親機)
- 無線機器は、大きく親機と子機にわけることができる。外から来た回線に繋がってるのが親機で、パソコン側が子機だね。親機で一般的なのは、このルータと無線が一体になったタイプ。無線の性能は親機の性能で決まるから、しっかり選ぼう。
- へー、こうしてみると結構性能の違うものがあるんだね。
- 単純に11aとか11gとかというだけでなく、無線の出力を上げたタイプとか、MIMOと呼ばれるアンテナを増やして速度と耐障害性を高めたタイプとか、色々あるんだよ。そういう場合、子機側も専用となる場合があるから注意。親機と子機のセット商品を買うのも手だね。
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- 【WN-WAPG/R仕様】
- IEEE802.11a/g/b対応
- 無線LANブロードバンドルータ
- 規格:IEEE 802.11a/g/b
- WAN側I/F:10BASE-T/100BASE-TX
- セキュリティ・WEP:152bit
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- 【WZR-G108/P仕様】
- IEEE802.11g 無線LAN
- 規格:IEEE 802.11g/b MIMO
- 最大伝送速度(単位・Mbps):108
- セキュリティ・WEP:128bit
●アクセスポイント(親機)
- これも親機なの?
- そう。ただし、さっきとは違って、ブロードバンドルータとしての機能は無い。既にルータ内蔵のADSLモデムを使ってる、なんて時にはアクセスポイントを増設すれば無線環境になるんだ。うちもその方法でいいと思うよ。
- 私の部屋にあるルータにこれを繋げればいいのね。了解!
- ちなみにASUSの【WL-330G】は、小型なだけじゃなくて、子機としても使える優れ物。カバンに入れておけば凄く重宝する一品だね。
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- 【WLA2-G54C仕様】
- IEEE802.11g
- 無線LANアクセスポイント ブリッジモデル
- 規格:IEEE 802.11g
- 最大伝送速度(単位・Mbps):54
- セキュリティ・WEP:128bit
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- 【WL-330g仕様】
- IEEE802.11g/b対応
- 無線LANアクセスポイント
- 規格:IEEE 802.11g/b
- 最大伝送速度(単位・Mbps):54
- セキュリティ・WEP:128bit
ASUSTeK
WL-330g
完売御礼
●PCカード(PCMCIA)型クライアント(子機)
- 次は子機側ね。無線で一番よく見られるのはノートパソコンでの利用だと思うんだけど、ノート用の子機でスタンダードなのがこのPCMCIAタイプ。通信も安定しやすいから、人気があるよ。
- あれ、こっちのスペックにもセキュリティの項目がある。
- それがとっても大事なんだ。親機と子機では、11aや11g、MIMOなどの規格を揃えなきゃいけないのと同時に、セキュリティも双方に無いと使えない。WPAを使いたければ、両方対応してるか確認してね。
- なるほど、そういう意味でも、親機子機のセット商品を買った方が安心かも。
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- 【WN-G54/CB3仕様】
- IEEE802.11g/b対応
- 無線LAN PCカード
- 規格:IEEE 802.11g/b
- 最大伝送速度(単位・Mbps):54
- セキュリティ・WEP:152bit
-
- 【WL-100g仕様】
- IEEE802.11g対応
- CardBus無線LANカード
- 規格:IEEE 802.11g/b
- 最大伝送速度(単位・Mbps):54
- セキュリティ・WEP:128bit
ASUSTeK
WL-100g
完売御礼
●USB接続小型クライアント(子機)
- あ、かわいい。USBメモリみたい。
- うん、これも子機なんだ。コンパクトで持ち運びにとっても便利。外出先のパソコンにもこれだけ持って行けば簡単に接続できるし、USB接続だから、デスクトップでもノートでも使えるのがいいね。
- USB端子が後側にある本体の為に、USB延長ケーブルがついてるものもあるんだね。親切~。
-
- 【GW-US54GZ仕様】
- 54Mbps 無線LAN USBアダプタ
- 規格:IEEE802.11g
- インターフェース:USB
●PCIバス接続型クライアント(子機)
- そして、デスクトップ用にはPCIバス接続タイプの子機もあります。
- すごく立派なアンテナがついてるね。
- PCIバスはどうしても後側だからね。受信しやすいようにアンテナが必要なんだな。
-
- 【WMP54GS-JP仕様】
- IEEE802.11g無線LAN
- PCIアダプタ
- 規格:IEEE 802.11g/b
- 最大伝送速度(単位・Mbps):54
- セキュリティ・WEP:128bit
-
- 【WL-138g仕様】
- IEEE802.11g/b対応
- PCIバス用無線LANカード
- 規格:IEEE 802.11g/b
- 最大伝送速度(単位・Mbps):54
- セキュリティ・WEP:128bit
シスコ・リンクシス
WMP54GS-JP
完売御礼
ASUSTeK
WL-138g
完売御礼
●Ethernetコンバータ(子機)
- ん? これも子機なの? どこかに挿すっていう見た目でも無いし・・・
- 形は親機に似てるよね。Ethernetコンバータとパソコンは、LANケーブルで繋ぐんだ。親機から無線で受信したデータは、Ethernetコンバータに接続されたLANケーブルから、パソコンに送られる。
- USBとかPCMCIAとかPCIとかじゃなくて、LANケーブルで繋ぐの? なんで?
- 理由はいくつかある。まず、ネットワークに対応している家電を繋げられるということ。最近は、テレビやHDDレコーダーにもLAN端子がついてるものが増えてるんだ。
- 知ってる。パソコンと連動させたり、テレビ画面でインターネットできたりするんだよね。なるほどー。
- あと、EthernetコンバータにはLANポートが複数ある、いわゆるハブの働きをできるものもあるから、例えば2階建ての住宅で、1階に無線つきルータ、2階にEthernetコンバータ、で2階の複数のパソコンをLANで繋いで、1階~2階間だけ無線で・・・なんていう使い方もできる。
- どうしても無線にしたいところだけ無線にするってことか。階段にLANケーブルって美しくないもんね。
-
- 【WLI2-TX1-AMG54仕様】
- IEEE802.11a/g/b切替式
- 無線LANイーサネットコンバータ
- 規格:IEEE 802.11 a/b/g
- インターフェース:イーサネット
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- 【WN-AG/C仕様】
- IEEE802.11a、g/b切替対応
- イーサネットコンバーター
- 規格:IEEE 802.11 a/b/g
- インターフェース:イーサネット
●外部アンテナ
- あれ? アンテナを別につけるの?
- 主に無線の出力を上げる為だね。内蔵のアンテナでは届かない場所がある場合に外部アンテナを接続して、改善を図ろうというわけ。
- ひらべったいのと棒みたいなのがあるけど、どう違うの?
- それは、指向性と無指向性の違い。指向性は主に平たい形をしていて、その面が向いている方向のみに集中して強い電波を届けようとする。逆に、無指向性は全方向に電波を飛ばす為に、ポールの形をしているんだ。家の中のどこに親機を置くかによって、どちらが効果的か選べばいい。
-
- 【WLE-AT-DAC仕様】
- 2.4GHz無線LAN
- アタッチメントタイプ指向性アンテナ
- 規格:IEEE 802.11g
-
- 【WLE-HG-NDR仕様】
- 2.4GHz無線LAN
- 無指向性アンテナ HighGainモデル
- 規格:IEEE 802.11g
- よーし、アクセスポイントとPCMCIAのクライアントを注文したし、【交換保証】にも入って備えはバッチリ。楽しみだなぁ~。
- 11gが問題なければ屋外でも使えるから、庭でインターネットもできるしね。
- な、何ですって!? ポクポクポクチーン・・・ひらめいたーっ!とりあえずパラソルとリゾートチェアとトロピカルドリンク買ってくるから、ケーブルとレポート片づけといて! お願いね!
- え、ちょっと、トロピカルドリンクは機器が届いてからでもいいんじゃ!・・・行っちゃった、普段からこれ位の行動力があればなぁ・・・ん!?今どさくさに紛れて何て言った!?