【噂】 24インチワイド(WUXGA)でDVI切替器は使える? - 自作パソコン・PC/パソコンとPCパーツの専門店【TSUKUMO】。自作PCに必要なパーツを豊富に取り揃えています。

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更新日:2007/06/15

WUXGA(1920×1200)解像度が出せるワイド液晶モニタが大人気ですが、このサイズのモニタに対応したDVI切替器ってあまり聞きません。あってもかなり高価だったり・・・
しかし、うわさではUXGA(1600×1200)まで対応のDVI切替器でも実はWUXGA(1920×1200)で使える、とか。
それは本当か?ちょっと試してみました。

まずは技術的な面から可能かどうかを探ってみます。
■WUXGAをDVIで表示するには
液晶モニタにDVI接続で表示する際に大事な数値はドットクロックです。
ドットクロックとは、1ドットをどれくらいの速さで表示するか、の数値です。
ドットクロックの計算は以下の式でできます。

水平ピクセル数×垂直ピクセル数×リフレッシュレート×帯域のオーバーヘッド※
(※帰線期間が使われることが多い。数値は1.2くらいが計算に使われます)

帰線期間はCRTモニタなど、走査表示する際に発生します。
輝点が左から右へ移動して、列を替えてまた左から右へ移動・・・を繰り返して上から下へと一本の線のように描画するのが走査表示です。
そして、輝点が右から左へ戻る、または下から上へ戻る際の必要な時間が帰線期間で、モニタ画面上には表示されない部分です。


一方、液晶モニタは走査しないので、極端な話、この部分は省いてしまってもいいのですが、データ処理などでオーバーヘッドは発生します。
しかし、CRTモニタほど時間を必要としないので減らすことが可能な部分です。ここがミソです。

それでは、実際にドットクロックを計算してみます。

(リフレッシュレート60Hz、オーバーヘッド値は1.2を使用)
画面解像度 ドットクロック 主な液晶モニタサイズ
640×480 (VGA) 22.1MHz  
1024×768 (XGA) 56.6MHz 15インチ
1280×1024 (SXGA) 94.4MHz 17 / 19インチ
1440×900 (WXGA+) 93.3MHz 19インチワイド
1600×1200 (UXGA) 138.2MHz 20インチ
1680×1050 (WSXGA+) 127.0MHz 22インチワイド
1920×1200 (WUXGA) 165.9MHz 24インチワイド
2560×1600 (WQXGA) 294.9MHz 30インチワイド

さて、DVIにはシングルリンクとデュアルリンクがあります。これは対応できるドットクロックの違いにあります。
シングルリンクの場合、ドットクロックは165MHzまで、デュアルリンクはその倍、330MHzまで対応できます。
※古いビデオカードの場合、ドットクロックが165MHzまで対応できないものもあります。

さてさて、先ほど計算したドットクロックを見ると、1920x1200で165MHzを超えています。
デュアルリンクDVIで接続すれば使えるでしょうが、シングルリンクDVIでは使えないことになってしまいます。

そこで生きてくるのが先ほどミソとして挙げたオーバーヘッドを減らす技術(reduced blanking)です。仮にオーバーヘッドを1.1、と減らしてみたらどうなるでしょうか。

(リフレッシュレート60Hz、オーバーヘッド値は1.1を使用)
画面解像度 ドットクロック 主な液晶モニタサイズ
640×480 (VGA) 20.3MHz シングルリンクDVIでOK  
1024×768 (XGA) 51.9MHz 15インチ
1280×1024 (SXGA) 86.5MHz 17 / 19インチ
1440×900 (WXGA+) 85.5MHz 19インチワイド
1600×1200 (UXGA) 126.7MHz 20インチ
1680×1050 (WSXGA+) 116.4MHz 22インチワイド
1920×1200 (WUXGA) 152.1MHz 24インチワイド
2560×1600 (WQXGA) 270.3MHz デュアルリンクDVIが必要 30インチワイド

あら不思議、24インチワイドがシングルリンクDVIでも使えるじゃありませんか。

実際に発売されている24インチワイドモニタのドットクロックを見てみると・・・(マニュアルなどで確認できたもの、プリセット値)
メーカー 型番 ドットクロック
NANAO HD2441W (ツクモネットショップにて取り扱い中) 154.0MHz
NANAO S2411W (ツクモネットショップにて取り扱い中) 154.0MHz
BenQ FP241W 162.09MHz
BenQ FP241W Z (ツクモネットショップにて取り扱い中) 162.09MHz
Samsung 242MP-R 154.0MHz
Samsung 244T 154.0MHz

違いはあれど、シングルリンクDVIでも使えるよう設定されています。
※シングルリンクDVIで使えないモニタも存在するようです。どこのメーカーでもOKとはいえませんのであらかじめメーカーから提供されているサポート情報や動作検証情報などでご確認いただくことをお薦めします。

■DVIのデータ伝送方式
DVI接続時、データはTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)というデジタル伝送方式を使ってやり取りされます。
データの伝送はTMDSトランスミッター(送信側)とTMDSレシーバー(受信側)を介して行なわれます。
ビデオカード側がTMDSトランスミッター、モニタ側がTMDSレシーバーです。
例えばNANAOのS2411Wの場合、ドットクロック154.0MHzあればWUXGA表示が可能です。しかし、ビデオカードのTMDSトランスミッターがモニタのドットクロックに対応していない(ドットクロックが154.0MHz以下)と、WUXGAで表示できません。
古いビデオカードでWUXGAが表示できない場合、TMDSトランスミッターの扱えるドットクロックが低いことが原因の一つとして考えられます。


切替器を挟んだ場合、切替器の内部がドットクロック165MHzに対応できているかが重要になります。

切替器の仕組みとしては、TMDSレシーバーとトランスミッターを内蔵したものや、スイッチコントローラーで切り替えるものなどが考えられます。

いずれの方式でも、信号が最後までドットクロック165MHzで伝送できればきちんと表示されるはずです。

以上をまとめると、

1. ビデオカードはシングルリンクDVIでもいい。ただし、TMDSトランスミッターが165MHzに対応していること。
2. DVI接続時、モニタのWUXGA表示に必要なドットクロックが165MHz以下であること。
3. 切替器のスイッチコントローラーやTMDSレシーバー等がドットクロック165MHzに対応していること。

以上の条件が揃えば待望の切替が可能になると思われます。

■切替器を検証してみよう!
今回検証するのはラトックシステムのDVI切替器2種です。
まず、「3.切替器のスイッチ、コントローラーがドットクロック165MHzに対応していること。」を確かめるために中を覗いてみましょう。
※分解、改造行為は保証が受けられなくなりますのでご注意ください。
REX-220DVI メーカー詳細 REX-220CUD メーカー詳細

クリックで拡大(1024×768)

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こちらは切替器の中にはTMDSトランスミッターとTMDSレシーバーが確認できました。

TMDSレシーバー(PC→切替器):SiliconImage SiI1161 (メーカーサイト)

TMDSトランスミッター(切替器→モニタ): SiliconImage SiI164 (メーカーサイト)

いずれも25~165MHzに対応できることがメーカーサイトの情報から確認ができました。
こちらはDVI/HDMIスイッチが確認できました。

Texas Instruments TMDS341 (メーカーサイト)

メーカーサイトの記載は伝送レート1.65Gbps(max)となっています。1.65Gビットを1秒に送るという意味です。1.65G=1650M。TMDSの仕様では、1クロック(Hz)あたり10ビットを伝送するので、1650M/10=165Mということで、165MHzとなり、こちらも対応できると確認ができました。

さて、どちらもいけそうなので、いよいよ繋いで試してみましょう!

■切り替えを試してみたぞ!

WMV形式(884kbps) 10.3MB
左の画像は動画へのリンクです。
ファイルサイズが大きいため、「右クリック→対象をファイルに保存」でダウンロードしてご覧ください。

モニタはNANAO S2411Wを使用、PCに搭載のビデオカードはGeForce 6800(WinFast PX6800 TDH)とGeForce 7600 GT(ELSA GLADIAC 776 GT)です。

ご覧頂けばわかりますが、REX-220DVI、REX-220CUD共に、しっかりWUXGA表示でき、切り替えもできています。

あまりにあっけなく使えたことにむしろびっくりしております。

と、いうわけで、
DVI切替器はWUXGAでも使えるものがあるといううわさは本当でした!

ですが、メーカーが保証している動作環境ではありませんので自己責任でお試しください。

■今回検証した切替器
【 ラトックシステム 】
REX-220DVI
REX-220DVI
PS/2 キーボード・PS/2 マウス・オーディオ切替対応
2台用 DVI切替器
ツクモ特価
価格 (税込)
0 pt
価格 (税込)
0 pt
+(税込)で
5年間の延長保証
+(税込)で交換保証
+(税込)で
5年間の延長保証
+(税込)で交換保証
同等品検索 【 メーカー商品詳細 】 詳細
【 ラトックシステム 】
REX-220CUD
REX-220CUD
USB キーボード・USB マウス切替対応
2台用 DVI切替器
ツクモ特価
価格 (税込)
0 pt
価格 (税込)
0 pt
+(税込)で
5年間の延長保証
+(税込)で交換保証
+(税込)で
5年間の延長保証
+(税込)で交換保証
同等品検索 【 メーカー商品詳細 】 詳細

■実はこれもWUXGAで使えます!
【 ラトックシステム 】
REX-220CXD
REX-220CXD
PS/2 キーボード・USB マウス切替対応
2台用 DVI切替器
ツクモ特価
価格 (税込)
0 pt
価格 (税込)
0 pt
+ (税込)で
5年間の延長保証
+ (税込)で交換保証
+ (税込)で
5年間の延長保証
+ (税込)で交換保証
同等品検索 【 メーカー商品詳細 】 詳細
今回検証はしていませんが、中のチップが検証で使用したREX-220CUDと実は一緒なので使えます。

参考資料:
Silicon Image "DVI & TMDS Extensions" http://www.siliconimage.com/docs/SiI-WP-007-A.pdf
DDWG "DVI 1.0 Specification" http://www.ddwg.org/lib/dvi_10.pdf




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